~高齢・障がい者の福祉的支援と全国のセーフティネットの構築を目指して~
刑務所などの矯正施設入所者の中には、必要とする福祉の支援を受けてこなかったり、あるいは受けられなかった高齢者・障がい者や、帰る先を確保できないまま矯正施設を退所する高齢者・障がい者が多く存在していることが指摘されてきました。そこで厚生労働省は、平成21年度から、このような矯正施設退所者を福祉につなげるため、保護観察所と協働して取り組む「地域生活定着支援センター」を各都道府県に整備する事業に着手し、平成23年度末、全都道府県に開設されました。平成24年度からは、矯正施設退所後のフォローアップ業務や相談業務までを強化し、入所中から退所後まで一貫した相談支援を行う事業を実施しています。
令和3年度からは、刑事司法手続の入口段階にある被疑者・被告人等で高齢又は障がいにより自立した生活が困難な人に対する支援も開始されました。
全国地域生活定着支援センター協議会(全定協)では、このような福祉的支援を必要とする罪を犯してしまった高齢者や障がい者の安心した地域生活の実現及び定着を図るとともに、更生支援にかかる全国のセーフティネットの構築を目指しています。
具体的には、各都道府県の地域生活定着支援センターが日々直面している問題の改善に向けて、情報の共有化・支援業務の標準化の促進・支援体制の格差の軽減・支援業務の質の向上を目指し、実効性のある円滑な連携支援を可能にします。また、国への要望をまとめたり、更生支援等にかかるスキルアップと人材育成のための研修を企画・実施するなど、その中枢となって各都道府県の地域生活定着支援センターを支援します。